認知的断想/場所法を使わせてくれないフォルダ - 井関龍太のページ

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認知的断想/場所法を使わせてくれないフォルダ

Last-modified: 2013年09月28日 (土) 16:56:38 (1871d)
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Windows 7は,動作は思ったよりも軽快なのですが,インターフェイスの仕様に納得しかねるところがあります。
これまでのWindowsでは,“マイ ドキュメント”をデスクトップに表示させて使っていた人も少なくないと思います。
“マイ ドキュメント”は,Windows 2000以前ではデフォルトでデスクトップに表示されていましたが,XP以降ではオプションで指定しないと表示されないようになっていました。
これは,デスクトップに大量のアイコンを置いてほしくない,というマイクロソフトの希望を反映させた仕様であると聞いたことがあります。

7でも,オプション指定すればデスクトップになかったアイコンが表示されるようになっています。
しかし,これまでとちょっと違うのは,“マイ ドキュメント”が直接表示されるのではなく,ログインしたユーザーの名前の付いたフォルダがデスクトップに表示される点です。
どういうことかといえば,以前は“マイ ピクチャ”や“マイ ミュージック”などのフォルダが“マイドキュメント”の中にあったのですが,今度はこのフォルダたちが“マイドキュメント”と同じランクに出世(?)して,ユーザー名のフォルダの中に並ぶようになったのです。
つまり,ユーザー名のフォルダをクリックすると,その中に“マイ ピクチャ”や“マイ ミュージック”と並んで,“マイ ドキュメント”が表示されるようになったということです。

この変更は大した違いでないように思えるかもしれませんが,“マイ ドキュメント”を開くための手間が増えたということです。
今までは,デスクトップ上の“マイ ドキュメント”のアイコンをダブルクリックすればよかったものが,7では,ユーザー名のフォルダを開いてから“マイ ドキュメント”のアイコンを探して,それをダブルクリックしなければならないのです。
これが毎回になるとだんだんとわずらわしくなってくるのです。
私はとうとう“マイ ドキュメント”のショートカットを別に作ってそれをデスクトップに置いてしまいました。
(もうひとつの解決策としては,“マイ ドキュメント”を使うのを止めて,ユーザー名のフォルダ直下にいろいろ保存する,ということも考えられます。)

この“マイ ドキュメント”問題とも関わると思うのですが,Windows 7のフォルダでさらに困った仕様変更があります。
それは,フォルダ内のファイルの並びが自動で整理されてしまう,ということです。
整理の方針自体は,名前順,更新日順など指定できるのですが,自動で並び替えられてしまう機能自体はどうもオフにできないようなのです。

これは参りました。
というのも,私はファイルの種類(グループ)をフォルダ内の位置で把握していたからです。
これは記憶術でいう場所法に近いものかもしれません。
具体的には,“最近よく使う”ものを“マイ ドキュメント”の右下の方に,“時期に関係なく使う”ものを左上の方に置いていました。
この“最近よく使う”とかいうのが曲者で,実は,これはファイルの更新日時や頻度とは必ずしも一致しないのです。
“最近よく使う”の“最近”がここ数ヶ月のスパンを表す場合,ある一日だけを切り取ってみると,更新日時や頻度が“時期に関係なく使う”ファイルに追い抜かれることがありえます。
そのときに更新日時でフォルダが自動的に並び変わってしまうと,非常に見つけにくくなってしまいます。

また,この位置による整理法では,“よく使う”程度をあいまいに反映させることができます。
あるファイルが近ごろ重要になってきたな,と思ったら,それをより右下の位置に移動させればよいのです。
そうすれば,今まで右下の方に集まっていたファイルは,少し左上に移動することになります。
これを繰り返すことで,じょじょに“よく使う”ものが右下に集まっていき,思ったよりも重要でなかったものは左上の方に移動していきます。
左上には“時期に関係なく使う”ファイルが固定してあるので,重要度があいまいなものはまんなかの方に集まるという住み分けができてくるのです。
残念ながら,Windows 7ではこれもできなくなってしまいました。

並び替え対策のためにフォルダ名としてナンバーや作成日を使うということも考えられますが,それではフォルダの中身が直感的にわかりにくいですし,“よく使う”具合に変化が起こるたびにフォルダ名を付け替えなければなりません。
頻繁な名前の変更はさらなる混乱を招きそうです。
そして,ユーザー名のフォルダの中から“マイ ドキュメント”を見つけるのが面倒なのは,“マイ ドキュメント”を左上などの目立つ位置に固定できないことが一因であるように思います。

というわけで,7のフォルダは人間の直感的なファイル整理の感覚に合わない仕様になっている気がします。
まあ,強制的に何らかの法則で並び変わる方がコンピュータらしいといえばらしいのですが……。
ただ,毎回自分のあずかり知らぬところで勝手にモノの位置を変えられると,それだけで人間はついていけなくなるのかもしれません。

こうなったら,もう,以前からの直感的ファイル整理法を使うには,デスクトップ上に大量のアイコンを並べるしかありません。
なぜか,Windows 7でも,デスクトップだけは強制的な並べ替えが行われないのです。
そうすると,今回の7の仕様変更は,マイクロソフトが嫌っていたはずの,デスクトップに大量のアイコンを置くという習慣を促しているようにも思えます。
マイクロソフトが思い描いているWindowsの利用スタイルとはどんなものなのでしょうか……。

(2009-12-20)

追記
その後,以下のようなソフトが公開されました。
これでWindows 7でも思うようにアイコンを配置できるようになります。

Windows 7にアイコンの“自動整列”“等間隔に整列”を追加「Win7自動整列拡張」(窓の杜)

他に,危険を伴うかもしれませんが,レジストリをいじる方法もあります。

【コラム】Windowsスマートチューニング(マイコミジャーナル)

(2011-06-25)
Tag: インターフェイス
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